もともとは『ファイナルファンタジー ヴェルサスXIII』として2006年に発表されたタイトルが、10年の歳月を経て『FFXV』として生まれ変わった背景には、数々のドラマがありました。

タイトル変更と開発体制の刷新
- 当初の『ヴェルサスXIII』は長らく進展が見られず、ファンの間でも「幻の作品」と呼ばれていました。
- 2012年頃から田畑端ディレクターがプロジェクトに関わり始め、2014年には正式に『FFXV』として再始動。
- 田畑氏は「FFを近代化する」「挑戦者に戻す」という強い意志を持ち、開発チームのヒエラルキーをリセット。「修羅の国」と呼ばれる実力主義の体制を築いたそうです。
“世界基準”AAAタイトルへの挑戦
- 『FFXV』は、世界中のユーザーに向けた“AAAタイトル”を目指して制作されました。
- AIによる仲間との自然な会話、広大なオープンワールド、リアルタイムバトルなど、従来のFFとは一線を画す設計が特徴です。
- 田畑氏は「メイドインジャパンの良さを残しつつ、世界基準のクオリティを追求した」と語っています。
技術的な壁と組織改革
- PS3世代のゲーム開発は“家づくり”から“ビルづくり”へと変化したと田畑氏は表現。従来のノウハウでは通用しない時代に突入していたのです。
- そのため、開発チームはPCベースの技術を取り入れ、次世代ハードに対応できる体制を構築。
- 「まずゴールを明確にし、それを信じ切ることが大事」と語る田畑氏の言葉には、長期開発への覚悟がにじみます。
このプロジェクトは、単なるゲーム制作ではなく、“FFというIPの再生”という使命を背負った挑戦でした。愛佳さんのように、ゲームの裏側にある物語や戦略に興味を持つ方には、開発者たちの葛藤や情熱もまた、ひとつのドラマとして響くのではないでしょうか。