「う、うーん」
「い、生きている?」
「あの爆発の中で生きているなんて奇跡だ。聖アジョラが守ってくれた?」
ラムザは周りを見渡してみた。どうやら死都ミュロンドのどこかに飛ばされたらしい。
「みんなは?」人の気配はない。薄暗いレンガ造りの部屋に自分の声が響くだけだった。
「とにかくここを脱出しなくては」
部屋を出ると、この場所が建物の一部だということがわかった。
壁はほとんど破壊されており、ところどころに植物が生えている。
どうやら廃墟のようだ。
「風が吹いている?出口かもしれない。」
幸いなことにケガはない。むしろ体力が回復している。
不思議ではあったが、考えている暇はない。
ラムザは風が吹く方へと進んでいった。