アルマ達がまばゆい光に包まれると、青白かった顔に赤みが戻ってきた。
「バ、バカな。ゾンビ化が治るわけがない。」
「アルマ大丈夫か?」
「兄さん、もう平気よ。亡者たちの声も聞こえなくなったわ。」
ラファとメリアドールもどうやら回復したようだ。
「ぐぬぬ、ここは一旦引くのが得策。」ギルガメッシュは逃げ出そうとした。
「ストップ。」ラムザはギルガメッシュに、声をかけるかの様に魔法を唱えた。
「か、体が動かん!」
「お前のような奴は、この世界にいることも許されない。永久に次元の迷宮へと彷徨うんだ。」
「こ、この魔法は!い、嫌だ、またあの空間には戻りたくない」
「デジョン!」
ラムザがそう唱えると、ギルガメッシュの足元に黒い穴が現れ、ギルガメッシュはその中へと飲み込まれていった。
その場にいる皆が、ラムザの一挙一動に驚いていた。
デスペジャ、デジョン、これらの魔法は敵が使っていたものだ。
それをいとも簡単に、使って見せた。
ギルガメッシュのしたことは許されるものではないが、冷徹にデジョンを使ったラムザに対し、恐怖さえ感じていた。
「兄さん、大丈夫?」
「ああ、心配いらない。それより皆無事で良かった。」
いつもの優しい兄さんだ、とアルマは思った。
「今日は宿屋に戻ろう。あとはオルランドゥだけだ。」
必ずイヴァリースの世界へ戻ろう、ラムザはそう心に誓った。