「・・・ちゃん、お兄ちゃん」
「ん、んん。アルマか」
「良かった!戻ってきたのよ!イヴァリースに」
「ここは?」
「ドーターの宿屋だ」
ムスタディオが教えてくれた。
「2週間も寝ていたのよ、あなた。」
メリアドールが呆れたように言った。
「みんな無事なのか?」
「安心しろ、全員無事に戻ってきた。おまえのおかげだ。」
マラークは感心したように言った。
「アグリアスの姿が見えないが」
「おまえが起きた瞬間に、部屋を出て行ったよ。涙を見せたくないみたいだ」
「後でフォローしておきなさいよ」
ラファがからかうように言う。
窓を開けるとパレートが盛大に行われていた。
「外がやけに騒がしいな。何事だ?」
「ディリータ王の誕生パレードじゃ。名もなき平民が戦争を終わらせ、王になる。英雄の誕生じゃよ。」
ラムザは誇らしい気持ちになった。
もう昔のような関係には戻れない、とわかっていた。
それでもラムザにとって、たった一人の親友であることは変わりなかった。
「ラムザ、異端の無実を晴らすべきだ」
気持ちが収まったのだろうアグリアスが戻っていた
「そうだ、本当に世界を守ったのはラムザだよ!」
「そうよお兄ちゃん、私も手伝うわ!」
「ここにいる全員同じ気持ちだよ。」
少し間をおいてラムザは口を開いた。
「いや、僕はイヴァリースの地を去ろうと思う。」