死都ミュロンドに存在する人間はいないと思っていた。
しかし現に、村人たちはいる。
武器防具屋、宿屋、酒場、まるでイヴァリースの世界のようだ。
「まずは酒場へ行こう」
アルマたちの情報を得られるかもしれない。
酒場は活況だった。
男たちは酒に酔い、美味しそうな肉を食べていた。
女たちはきらびやかな恰好をして楽しそうにおしゃべりしている。
ラムザはバーテンの前の席に座る
「注文は?」
「ホットミルクを頼む」
「クックック、とんだ酒豪がやってきた」
「最近見慣れない人間を見なかったか?」
「見たよ、あんただ。」
「…チップだ。」
「正直、見慣れない人間ばかりだよ。毎日人の顔が変わりやがる。
不思議な街なんだよ、ここは。俺だって明日はいないかもしれんぜ。」
なんの情報も得られなかった。ミルクをチビチビ飲みながら周りを見渡す。
大きな酒場だ。フロアに20人くらいはいるのだろうか。
しかしここにいる人間はどうやってここまでたどり着いたのだろう?
「よお、誰かと思えばベオルブ家のお坊ちゃんじゃねぇか」
聞き覚えのある声だ。この声は…
「ガフガリオン!?死んだはずじゃ…」
「覚えていてくれたとは光栄だね!そうだよ俺は死んだんだ、おまえに殺されたんだよ!」