「アルマ、何を…」
「ラムザ兄さん、ごめんなさい。身体が言うこと聞かないの。」
アルマの顔を見ると、青白く生気がない。
この状態をラムザは知っていた。
ザルバック兄さんがゾンビと化し、僕たちを襲ってきた症状にそっくりだ。
「はっはっはっは!バカめ、そう簡単に大事な商品を渡すわけないだろ。」
「ラムザ、ラファの様子がおかしい!」とマラーク
「メリアドールが暴れている、助けてくれ!」とムスタディオ
どうやらゾンビ化したのはアルマだけではないらしい。
「腐れ外道が!」怒りをあらわにするアグリアス
しかしラムザだけは、なぜか冷静だった。
刺されたかに見えた腹に傷はなかった。
「ラムザ、大丈夫か!」アグリアスが心配して駆けつけた。
「ああ、ダメージはMPに吸収させた」
「MPすり替えか」アグリアスはラムザの冷静な対処に驚いた。
「だが、どうする?この状況。一旦引くか?」
「大丈夫、僕に考えがある。できるかどうかわからないけど。」
「何を企んでいようが無駄だ。こいつらは、お前の兄、ザルバックと同じ運命をたどるのだ!」
「兄さん、寒いよ。真っ暗で何も見えない。聞こえるのは亡者の声だけ。助けて、兄さん」
「大丈夫、兄さんが必ず助ける。」
そう言うとラムザの体が輝き始めた。
「この魔法は!」アグリアスは目を見開いた。
「聖天使アルテマが使っていた!?」マラークも気づいたようだ
「うそだろ?一度見ただけで使えるものなのか!?」ムスタディオが叫んだ。
「イメージは悪いけど、この魔法にかけるしかない、デスペジャ!」
アルマ達の周りが、まばゆい光に包まれた。