「お前ら覚悟はできているのだろうな」
そう言うとアグリアスはいとも簡単に牢屋を切り刻み、自由の身となった。
「ラムザ、こうなると手が付かない。一旦引くぞ。」
ラムザはうなずき、後ろを見ると、すでにアグリアスは暴れていた。
「無双稲妻突き!」
「うわぁぁ、聖騎士が暴れだしたぞ!」
「不動無明剣!」
「逃げろ!建物が崩れるぞぉ!」
「聖光爆裂破!」
「凄まじいまでの聖剣技だ!」
一時間後…
会場は跡形もなく崩れ、人の姿はなくなっていた。
ただ一人、アグリアスを除いては。
「アグリアス、生きていて良かった。この服を着てくれ。」
ラムザが声をかけると、アグリアスはラムザの胸に飛び込んだ。
「本当に良かった…」
目に涙を浮かべながらラムザを見つめる。
「アルマやラファ達も一緒ではないのか?」
「ああ、みんな無事だ。女性陣はまとめて売買にかけられようとしていたんだ。」
「今はオークションの胴元のアジトにいる。」
「よし、今日は一日休んで明日胴元のアジトに乗り込むぞ。」
ラムザの目に希望の光が輝き始めた。