「オルランドゥ、どうしたんだ?」
「おお、ラムザか。見ての通り、邪心様にお祈りを捧げているのじゃよ。」
「そんなことをしたって、無駄だ。僕たちと一緒にイヴァリースの世界へ帰ろう」
「それこそ無駄じゃ。ラムザも見ただろう。唯一の帰る道がローファルによって壊されるのを」
「なにか方法があるはずだ。みんなで考えよう。」
「無駄だよ、ラムザ。私も何度も説得したがテコでも動こうとしないんだ。雷神シドも終わりだ」
メリアドールは悲しそうに言った。
「仕方がない、ここは一旦引こう。イヴァリースの世界へ戻る方法を考えて、再び説得に来よう。」
「お主は変わらないな」
「えっ」
「こんな絶望的状況でも、希望を捨てない。おまえの父バルバネスと同じ目をしている」
「待っていてくれ、オルランドゥ。必ずイヴァリースの世界へ戻る方法を見つけてくる」
一同はオルランドゥを置いて、一度宿屋に戻った。
「しかし、イヴァリースに戻る方法なんてあるのかよ」
マラークはぶっきらぼうに言う。
「戻る方法があるとしたら、ローファルが壊したあの祭壇にあると思うんだ。」
ラムザが考え込むように言った。
「でもそれは、ローファルによって壊されてしまった。」
アルマが小声でつぶやく
その発言を機に一同は黙りこくってしまう。
「やめ、やめ。ちょっと一旦休憩しよう。雰囲気が暗くなっちまう」
ムスタディオが場を明るくするように言った。
「それにしてもラムザの魔法は凄かったな。デジョンとデスペジャ。」
「見よう見まねで出来るような魔法じゃない、天才としか言いようがない。」
アグリアスは感心している様子だ。
「魔法か…まだ僕たちが知らない魔法があるとしたら?」
「この街に魔法に関する本が置いてある図書館はないか?」
「街の外れに古い図書館があったな。でも魔物の巣窟と化しているぜ」とマラーク。
「行ってみよう。」
ラムザは迷わずそう言った。